Do you hear the people sing ?
このフレーズで始まる『民衆の歌』
映画では3回流れました。もちろん、大合唱。
前奏の段階で目がうるんできます。もちろん、3回とも。
(でも、サントラには入っていない、何故???)
この歌を初めて聴いたのは、かなり前になります。
どこでどんな時に聴いたのかは、もう失念してしまっていますが、初めて耳にした時の感動は、今も変わっていません。
レ・ミゼラブル 全4冊 (岩波文庫)
を読んだのは、20代の後半。
読むのに1年かかったことが、今では懐かしい。
読み進める上で一番苦しかったのは、パリの下水道の話というか説明に1章も割かれているところでした。
が、「絶対に読め!」と勧めてくれた人生の先輩は、「その下水道の1章が無かったら、『レ・ミゼラブル』は完成せんのや。だから、飛ばさんと読め!」と云ってくれたのですが、これは読み終わった時よりも、今日、映画を見てよくよく感じ入った次第です。
映画なので、ヴィクトル・ユゴーの元々の原作とは違っているところが多々あります。
それと、これは、ミュージカル『レ・ミゼラブル』が映画化されたもの。
会社の後輩たちからも、「絶対に行ってください!」と、何度も念押しをされた上での、今日の鑑賞となりました^^;
おまけに一人やし・・・一人で映画に行ったのも、とあるヤクザもんの映画を見た時以来です^_^;
ミュージカル映画だけあって、全編、歌、うた、詩。。。
最初から最後まで、退屈するようなところは1秒もありませんでした。
これは、監督トム・フーパーの腕に集約された結果…というしかないでしょう。
すばらしい映画です。
観ながら、いろんなことを考えてました。いろんなものが去来しました。
・登場人物たちで、一番自分に近いのは・・・エポニーヌ(^^ゞ
まあ、よく似てること・・・と、感心至極。
(エポニーヌと工藤のことを知っている方は、あ~って手を叩くかも^_^;)
・ガブローシュが『民衆の歌』を歌い始めて、怯みつつあった学生たちの勇気を鼓舞したところは、この映画のクライマックスの一つかもしれません。『勇気』って言葉が脳裏をかすめました。
・ジャベール警部は詩人だと思うんです。ジャン・バルジャンが語ったごとく、彼は職務に忠実であっただけ。
詩人だからこそ、星空に向かって歌い、声をかけ、誓いを述べる。
詩人だからこそ、人間の魂に触れて、まさにジャン・バルジャンが自身に問いかけた「Who am I ? 」という観念に翻弄されてしまう・・・故に、結局は死を選ばざるを得なかったのかな・・・と。
・宮城教育大学の初代学長をされた林竹二先生という方がおられます。敬虔なカトリック信徒だと聞いたことがあります。その林先生の言葉のひとつに、「人間だけが、自らの生き方を変えていくことが出来る」というものがあります。
ジャン・バルジャンの生き方は、それを示して余りある。
が、生き方というのは、「変えていくこと」が出来るのであって、「変わろう」「変えよう」としなければ、結局は変わることなく終わっていくものかもしれません。テナルディエ夫妻の生き方はまさにそれを象徴しているようでした。
他にもいろいろと考え思ったりしたのですが、幕が降りた時に出てきたのは「怒り」だったんです。
これは、自分でも意外でした。
何に対しての怒りなのか、あんまりよくわかりません。
一つは、犠牲者があまりにも多かったことかもしれない。
特に、学生たちという若い世代。子供であるガブローシュの死もそう。
でも、それだけでもないようです。
「怒り」が何なのかは、これから訥々考えていこうと思います。
併せて、かなり凹みました(~_~;)
何故凹んだのか・・・
それは、日ごろの工藤の言句業行に絞られるでしょう・・・
とりま、本当にいい映画です。
日ごろ観るのは、基本ギャングものやら、「ミナミの帝王」シリーズの工藤ですが、心から感動しました。
自分の中で一番やった「風と共に・・・」を越えましたね、絶対♪
DVD発売が、今から楽しみです。
しかし、マリウスはやっぱり優柔不断やな~(^_^;)
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