宮本 輝

2021年12月26日 (日)

『徒然草』第150段

去年の8月に久しぶりに読んだまま、つい先日まで読み返すことが無かった『徒然草』第150段。

習い事や学び事をしている人にとっては、痛いことが書かれてます。
今月、これを思い出すことがあって、また読んでおかないとあかんな〜と思いつつ、今日まで延ばし延ばしになってました。

 

《原文》

能(のう)をつかんとする人、「よくせざらんほどは、なまじひに人に知られじ。うちうちよく習ひ得てさし出でたらんこそ、いと心にくからめ」と常に言ふめれど、かく言ふ人、一芸も習ひ得ることなし。

いまだ堅固(けんご)かたほなるより、上手(じょうず)の中にまじりて、毀(そし)り笑はるるにも恥ぢず、つれなく過ぎて嗜(たしな)む人、天性、そ骨(こつ)なけれども、道になづまず、みだりにせずして年を送れば、堪能(かんのう)の嗜(たしな)まざるよりは、終(つい)に上手の位にいたり、徳たけ、人に許されて、双(ならび)なき名を得る事なり。

天下のものの上手といへども、始めは不堪(ふかん)の聞えもあり、無下(むげ)の瑕瑾(かきん)もありき。されども、その人、道の掟(おきて)正しく、これを重くして放埓(ほうらつ)せざれば、世の博士にて、万人(ばんにん)の師となる事、諸道かはるべからず。

《口語訳》

芸能を身につけようとする人は、「良くできないような時期には、なまじっか人に知られまい。内々で、よく習得してから、人前に出て行くようなことこそ、誠に奥ゆかしいことだろう」と、いつも言うようであるが、このように言う人は、一芸も習得することが出来ない。

まだまったくの未熟なうちから、上手の中にまじって、けなされても笑われても恥ずかしいと思わずに、平然と押しとおして稽古に励む人は、生まれついてその天分がなくても、稽古の道にとどこおおらず、勝手気ままにしないで、年月を過ごせば、芸は達者であっても芸道に励まない人よりは、最後には上手と言われる芸位に達して、人望も十分にそなわり、人に認められて、比類のない名声を得ることである。

世に第一流といわれる一芸の達人といっても、初めは下手だという噂もあり、ひどい欠点もあったものである。けれども、その人が、芸道の規律を正しく守り、これを重視して、気ままにふるまうことがなければ、一世の模範となり、万人の師匠となることは、どの道でも、かわりのあるはずがない。

 

これを最初に知ったのは、敬愛する芥川賞作家にして日本の文学界の重鎮でもある宮本輝先生の『約束の冬』っていう小説の中。
ちなみに、めちゃくちゃ良い小説です^^
超お勧めです。
ぜひ、読んでほしいな〜って思える2冊です(上下巻なのです)。

カリグラフィーに限らず、物事を学んだり習ったりする中で、押さえておいた方がいい、その向き合い方・姿勢が、シンプルに明快に書かれてある文章だと思います。

人間ですからね。
どうしても、恥ずかしい思いはしたくないし、他人様に笑われるなんてことは避けたいもの。

ついつい「うちうちよく習ひ得てさし出でたらんこそ」になってしまうな〜

そこはやっぱり簡単ではないですが、でも、まずは一段だけでもステップを上げていこうと思ったら、自分のペースでいいから、取り組む姿勢をほんの少しだけ、この名文に倣って変えてみると、確実に見える景色も変わってくると思うんです。

変わった景色を一回見たら、病みつきになるかも?笑笑

コツコツやっていくのは、もちろんヘビーですが…^^;

そういうわけで、2022年は、この『徒然草』第150段を今再びのベースにして、カリグラフィーも切り絵もやっていこうと思っています。
どうせやるなら…です^^

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2021年4月19日 (月)

カフェ「青い屋根」へ

昨日の記事の続きになります。

カリグラフィー伊丹教室のあと、こちらは去年の8月以来になりますが、新伊丹にある「カフェ 青い屋根」へ行ってきました。
オーナーのてらけんさんとは、もう10年くらいのお付き合いになります。

元々は、芥川賞作家・宮本輝先生の大ファンという繋がりからTwitterで拾っていただき、今に至る…です。

「テルニスト」という、その宮本輝先生の超絶大ファンのグループがあるんですが、その端っこに入れていただいたのが始まり。
年に2回か3回ほどしか寄せていただくことはできませんが、てらけんさんは人生の大先輩でもあるし、ある意味「お兄ちゃん」のような存在。

併せて、この場所が、なんていうのか、工藤にとっては、心身ともにものすごく寛げる不思議な雰囲気のある空間なんですよね。

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自分にとっての「テルニスト」はここから始まってます。

何人ものメンバーの方々と、この「青い屋根」でのオフ会で直接お会いさせていただいたり、輝先生(と呼ばせていただいてます^^)の講演会等のイベントでご一緒させていただいたりも。

いわば、てらけんさんのお陰で出会うことのできた方々です。

そういう佳き人間関係を創る大きなきっかけを作ってくださったてらけんさんには、ほんとに感謝してます。

中国の諺に、「飲水思源」「喝水不忘掘井人」というのがあります。
水を飲む時、井戸を掘った人のことを忘れてはいけないよ…ということですが、まさにそれ。

そういえば、テルニストの起源は、ある方(みんな「てつやあさん」と呼んでます^^)が一人で始めた宮本輝先生のファンページ。
てつやあさんが居てくれはったから、今の「テルニスト」があるわけですし、てつやあさんにも感謝です。
東京で、一度だけお会いさせていただいたことがあります^^
やっぱり、めっちゃイイ人でした♪

てらけんさんの人生の来し方っていうのはほんとに波乱万丈で、寄せていただく度に話をしてくださり、笑いいっぱいで帰ることができます。
この日は、1時間半ほどしか滞在できませんでしたが、気持ちもふくよかになって帰途につけました。

そうそう^^
プレゼントをいただきました。

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てらけんさんお手製のレザークラフトのブタさん^^
めちゃくちゃかわいいです♪
今月はちょうど誕生日のある月なので、誕プレですね〜ってことになりました。
ありがとうございます。

前に、フクロウさんもいただいてて、玄関に飾らせていただてます。

このブタさん。
気持ちがトゲトゲした時に、話し相手になってもらいますね^^

また、寄せていただきます。

 

さて、新伊丹駅といえば、薔薇がいっぱいのロータリーがあります。
お天気がよくなかったので、全体は写メってませんが、少しですが薔薇が咲いてましたので、撮ってきました。

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いい香りでしたよ。
来月には満開になるんでしょうね。
楽しみです。

 

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2020年5月30日 (土)

文字は劣化する…の巻

カリグラフィーは、ご存知の通り「手書き文字」。
「手書き」なので、さっき書いたのと全く同じものを、5分後に全く同じように書くことはできません。
でも、それが「手書き」のよさ。

色が擦れることもある。
同じインクを使ってても、濃淡が出る。
書いている段で、CGでは出せない色合いになることもある。
何より、書いた文字の中に「成長」を見ることができることがある。(「成長」がないこともある…爆←工藤あるある)

それぞれのカリグラファーの方が、それぞれ自分の思いの中で、文字を綴ってはると思うんですね。
工藤には工藤の思いがあって、書き続けています。

一番の「思い」は、カリグラフィーは「表現」だってこと。
ビジネスとかではなくアート。(注を入れるまでもありませんが、作品を売らないとかってことではないですよ)
どこかで書いたことかもしれませんが、自分は、フローリッシュとかはほとんどしないんです。
しないことにしているんではないです^^;
する時もありますので。

アルファベットの持つ「個性」みたいなもの、一つ一つの文字が本来持つ「美しさ」を、どこまでシンプルに引き出せるのか…
それをベースにして、色やらレイアウト等々と掛け合わせをして、伝えたい「文章」を綴って表現をしていく。

結構しんどいことやし難しいってことは分かってはいるんですが、自分のカリのベースは「そこ」に軸足を置いてます。
それもあって、イタリックが多いのかも?笑

と、御託を並べて偉そうに書いてますが、先日、かなりショッキングなことがありました。

Facebookをやっていると、時たま、タイムラインに「〜年前の〜」とかってのが出てくるんですね。
過去とか後ろとかを振り返るってことのほぼない工藤は、大概、「お、懐かし♪」で終わります。
が、先日は違いました。

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これ、8年前の作品(だそうです)。
一瞥して、次の瞬間には見入ってました。
自分の作品ながら、何気に引かれるものがある…

実はそれがめちゃくちゃショックやったんですよ…

題材は、芥川賞作家・宮本輝先生(輝先生と呼ばせていただいております^^)の中編「夜桜」(新潮文庫『幻の光』所収)の最後の方の一節の英訳もの。

アメブロには出しませんでしたが、こちらでは載せておきますね。

Hemmed with blue light, the enormous cotton-like clusters of pale pink blossoms seemed to float in the air.
They appeared as a bewitching living organism that would diminish gradually, tricking away.
Since sleep seemed out of the question, Ayako decided to spend this strange night staying up wiyh the cherry trees.

膨れあがった薄桃色の巨大な綿花が、青い光にふちどられて宙に浮いているように見えた。ぽろぽろ、ぽろぽろ減っていくなまめかしい生きものにも思えるのだった。綾子は到底眠れそうにないこの不思議な夜を、桜とともに起きていようと決めた。

工藤、初のギルド展出展作品がこれ。
切り絵とのコラボ作品にしたんですが、こちらの手違いもあって、その切り絵部分が一部破損で戻ってきて、書き直そうと思いつつそのままになっています。
↑の写真は、ここから「切り絵」コラボをどう入れようかと考え中に写メったもの。

で…
何がショックやったかというと(やっと、本題…^^;)

ここに、自分が書いた一つ一つの文字に込めた「思い」の強さとか重さが、まるっきり「今」とは違うってこと。
技量のことではないんです。
「気持ち」の問題。

今月の「母の日」に書いた作品と比べると如実にわかります。

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これ、ぶっつけ本番で、下書きも練習もなくて、レイアウトもぶっつけで書きました。
失敗もしてないし、一応見た目も安定してて、特に問題もない…ように見えます。
とりあえず、「夜桜」書いたものよりもベターな文字でもあります。

でも、大きな違いが…
8年前に書いた作品の方が、文字一つ一つに込めた思いの「深さ」とか「熱さ」が強いんですね。
まるきり違うって云うてもいいくらいです。

これが、めちゃくちゃショックでした。

あれから8年経って、文字に対する姿勢というか向き合い方というか、そういうものが確実に劣化している。
それを知ること・理解することができたのは、これはこれで幸いやったと思いながら、今、仕切り直しをしているところです。

一つ云えることがあって。

先月末から、キングコングの西野亮廣さんの voicy 発信やブログ、それからネットサロン(こちらは有料)に接するようになったんですが、特にここ数日のその西野さんの発言やら文章が、今回のこのショッキング事件に連れてきてくれはったって思えるくらいにドンピシャでリンクするようなものが多かったんです。

こんなこともあるんですね。

そのタイミングの妙に、驚きつつ、西野さんに感謝しています。

 

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2018年12月29日 (土)

伊丹の〈カフェ 青い屋根〉へ

毎年、12月になると必ず年末のご挨拶へお伺いする2つの場所。

ひとつは、大阪・福島区にある『明晃印刷』さん。
もう一つは、兵庫・伊丹市にある『カフェ・青い屋根』^^

昨日、行ってきました。

青い屋根のある阪急新伊丹の駅前のロータリーには、中央に小さなバラ園があります。
いつも、こちらに来ると、その時その時に咲いているバラさんたちを写メります^^

ちょっと多いですけどアップ。
(インスタとFBに、重複しないようには上げておりますが)

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こんな感じです。
バラに限らず、白の花って…スマホで写メるのは難しいです。
光の反射が大きいので、花弁一枚一枚がスッキリ撮れない。
昨日は、あっちからこっちからと、撮る向きを変えてなんとか…^^;

それにしても、凛とキレイに咲いてました。

花を撮る時、いつも思い出す文章があります。
随分前にも引用したことがありますが。

私は、いつも思う。
「人は花に学ばなければ」と。
花はいつも一生懸命だからだ。
投げやりに咲いている花はない。
いやいや生きている花はない。
途中で、へこたれる花はない。
笑うことを忘れた花はない。
過去にとらわれたり、人のあらを探したりしている花はない。

そうありたいなって思います。

さて、本題。
前回はいつお伺いしたのか忘れてしまいました(^_^;)

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が、本年であったことは確かで、でも、本当に久しぶりにお会いすることができた、青い屋根のオーナーのてらけんさん。

いつも、人生の来し方を楽しく愉快に話してくださいます。

てらけんさんと工藤との共通項は、芥川賞作家・宮本輝先生の大ファンであること。
そしてまた、青い屋根自体が、テルニスト(宮本輝先生の大ファンのことです^^)の出会いの十字路ともいうべき場所。

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↑ このコーナーは、宮本輝先生ミュージアム♪

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この場所、工藤には数少ない緊張の解ける場でもあります。
くつろぎすぎるくらいにくつろげてしまいます。
ほんま、え〜場所やねん♪

昨日は2時間半ほど、楽しく歓談させていただきました。
自分の近況もホイホイと^^
めっちゃ寒かったですが、ほっこり気分で帰ってこれました。

また、来年もよろしくお願いいたしますね、てらけんさん^^

本年も、あと明日と明後日だけになりましたね。
自分は…ちょいと気合い入れて、シャキッとやります。

エイ !!!

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2018年12月 8日 (土)

「宮本輝 人間のあたたかさと、生きる勇気と。」 @姫路文学館

兵庫県姫路市にある「姫路文学館」
白鷺城を臨むこの「姫路文学館」にて、先月11月10日から、

「宮本輝 人間のあたたかさと、生きる勇気と。」

が開催されています。

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出品数は、約250点。
直筆原稿をはじめ、愛用品、関連資料・パネルが並びます。
詳しくは、 ← こちらをクリックしてみてください。

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実は、この初日の11月10日には、オープニングセレモニーがあり、宮本文学の熱烈なファン「テルニスト」を代表して、HN 「べーすまん」さんがスピーチをされています。

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ユーモアを交えながらの語り。
その場で聴きたかったな…

宮本輝先生は兵庫県神戸市生まれ。
1977年(昭和52年)に、デビュー作『泥の河』で第13回太宰治賞を、翌1978年(昭和53年)には、『螢川』で第78回芥川賞を受賞。

名実ともに、日本を代表するストーリーテラーとして、人間を見つめ、人間を描き続けることで、読者に 「人間のあたたかさと、生きる勇気」を湧き立たせ続けておられます。

今年は特に、1981年から書き始められた 『流転の海』シリーズが完結した年にもなりました。
37年という歳月を通して書き綴られた全9巻からなるこの大作は、宮本輝先生ご自身によれば、「ここには、人生の全てが書かれている」とのこと。

ちなみに、以前、拙ブログでもアップさせていただきましたが、この『流転の海』シリーズ全9巻の豪華本セットが、現在、新潮社から発刊・販売されています。

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限定300セット。増刷なし。

ただ…残部僅少となっているようです。お急ぎくださいね^^

さて、姫路文学館でのこの展示ですが…

会期  :  2018年11月10日(土)〜2019年1月27日(日)
開館時間  :  10:00〜17:00(入館は〜16:30)

休館日  :  毎週月曜日(*12月24日・1月14日は開館)、12月25日(火)〜1月5日(土)、1月15日(火)

観覧料  :  一般〜700円、大学・高校〜400円、中学・小学〜200円
               ・20名以上の団体は2割引き、 ・常設展示も観覧可

主催  :  姫路文学館 ← リンクしています。

☆ 本日12月8日(土)は、13:30〜15:40で、宮本輝先生原作の映画 『道頓堀川』の鑑賞会があります。 当日先着100名。

☆ 明年1月14日(月・祝)には、13:30〜15:30で、宮本輝先生のシルクロード紀行『ひとたびはポプラに伏す』の取材同行記者の北日本新聞社・大割範孝氏の講演会が。
こちらは、当日先着150名。

テルニストの間でよく語られることなのですが、宮本輝先生の作品は、1回ではなく、なんども読み返したくなる。再読したくなる。
苦しい時、辛い時、凹んだ時に、悲しみに沈んだ時に、その綴られた文章から「人間のあたたかさと、生きる勇気」を得ることができる。

宮本輝先生のお父様、お母様、そしてご本人がモデルとなっている『流転の海』に出てくる、松坂熊吾の名台詞があります。自分も大切にしている言葉です。

「何がどうなろうと、たいしたことはありゃあせん」

「自分の自尊心よりも、大切なものを持って生きにゃあいけん」

こんな時代だからこそ、ぜひ、一人でも多くの方々に観ていただきたいと思うのです。

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* 掲載の写真の内、2枚目、3枚目、5枚目は、テルニストのHN 作雄さんの手になるもので、転載を快諾していただきました。
 この場をお借りして感謝申し上げます。

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2018年9月26日 (水)

宮本輝『流転の海』愛蔵版 全9冊セット 予約開始♪

1977年、『泥の河』で「太宰治賞」受賞、翌1978年には『螢川』で芥川賞を受賞された、「ストーリーテラー」宮本輝先生。(日本人作家で一番大好きで一番尊敬できる方なので「先生」と呼ぶのです^^)

その宮本輝先生が、1982年から連載を開始した『流転の海』シリーズ。

以来、37年という長きにわたって書き綴り続けられて、つい数ヶ月前に「了」となりました。

37年て、凄すぎます。
もちろん、『流転の海』だけを書かれていたわけではなく、この間、他にも多くの珠玉の書たちが生まれてます。

その『流転の海』シリーズが、豪華愛蔵版限定300セットとして、昨日から予約販売となりました。

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詳しくは、↓↓↓の新潮社HPをご覧くださいね。

      「流転の海」 愛蔵版

自分も、喉から手が出るほどに欲しいのですが…
天から降ってこーへんかなぁ…

第1部 流転の海
第2部 地の星
第3部 血脈の火
第4部 天の夜曲
第5部 花の回廊
第6部 慈雨の音
第7部 満月の道
第8部 長流の畔
第9部 野の春

自分は、文庫で第7部まで持ってます。
第8部はもうすぐ販売かな^^

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全9巻に流れるまさに「うねり」は、読み込む力の薄い自分には、到底、文章に表現できるものではありません。
宮本輝先生がライフワークとして書き綴り、積み重ねられてきた年月の大きさと重さにも、正面から向き合える力もないかも知れません。

ただ出来ることは、何度も何度も読み返して、時代に争い、時代に翻弄され、それでも後退する事なく歩き続けて生を全うした主人公・松阪熊吾と、彼を取り巻く人間たちとの交錯の中から生まれる「生きる縁」を命に刻んで、また明日へ向かって訥々と歩いていくことかなって思います。

この9冊からは(もちろん、他の本からもありますが)宝のような名言がたくさん生まれています。

・わしは、蓮の花が好きじゃ。泥の中に咲く花やけん。他のどんな花よりも美しいのよ。

・持って生まれたもんは、どんなことがあろうとも毀れんのじゃ。

・素直でないやつは、あるところから先へは成長しよらん。

・愚かは、悪じゃ。

・魔がさすという言葉があるが、人間は絶望して疲れると、魔に負ける。魔というやつは、こんにちはと声をかけて玄関から入ってはこんけんのお…

・自分の自尊心よりも大切なものを持って生きにゃあいけん。

・何がどうなろうと、たいしたことはありゃあせん。

キリがないので止めておきますが、特に若い人たちに、宮本文学、就中「流転の海」シリーズを読んでもらいたいなぁ…

愛蔵版セット、競争率高いと思います。
是非^^

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2017年10月21日 (土)

雑感。。。(7)

今日…日付変わったので、昨日…は新月でしたね。
天秤座新月。

新月になると毎回、何か新しいことが始まることが多く。。。
今日もひとつ、新規にスタートすることがありました。
佳き始まりに感謝です^^

そんな今日は、朝から一日中大笑いをしていたように思います^^
何に付けても、人間が器用ではないし、すぐに騙されるし、いいように使われるし、適当にあしらわれるし…みたいな人なんですが、そういうことも笑って前に進めるようにはなってきつつあるかな。
少々のことでは凹まないようになってきました。
笑いっていうのは、もしかしたら万能薬なのかもしれないですね^^

午前中、f-Graceさんにてカリグラフィーの出張レッスン。
終えて帰ってくると、ネット注文してた、敬愛する芥川賞作家・宮本輝先生の新刊『いのちの姿 完全版』が届いていました。

午後は14時から18時くらいまで、大阪・梅田のリアルSNSクリエイティブラボ『Blue+(ブルータス)』で開催中の『♪切り絵の国からの贈り物♪』展に在廊することになっていたので、読みかけの、これも宮本輝先生の『錦繍』とともに持参。
途中、泣きながら(ほんとに泣いてしまうんです^_^;)『錦繍』を読み終え、『いのちの姿』を読んでいると、テルニスト(宮本輝先生の熱狂的ファン)で人生の先輩でもあるSさんが、作品たちを観にきてくださいました。

しかも…今日発刊なった『いのちの姿』を、「ユウスケは忙しいやろうから、買いに行く時間無いやろうと思って買ってきたで」って。

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こんな形で「本」を戴いたことはなく、ただただ嬉しい限り。
同じ本が手元に2冊あることになりましたが、それは同じであっても同じではない。
2重の思いで、心に刻む気持ちで読ませていただきたいなって思います。

Sさん、ありがとうございました。

今日のカリレッスンと在廊のことは、また後日にアメブロのほうでアップするかと思います。
いや…アップするかも知れません…?
ちょっと忙しすぎて…(^-^?)
どうなるのか。。。爆

台風の影響が大きいようです。
皆さま、くれぐれもお気を付け下さいね。

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2017年9月 3日 (日)

今月も京都から。。。

昨日は、京都へ。

今月も月初めから京都入り。
苦手な京の都も、ほんとに苦手では無くなってきているのが不思議です。
「慣れ」とかではなく^^

その昨日は、切り絵仲間の真司くんの切り絵教室のアシでした。
と云っても、後ろから見てただけですが(^^ゞ

教室のことは、真司くんのブログにお任せをして、自分は写真紀行を。。。

すごくイイ天気でした。

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↑ 電車のことはよくわからないんですが、有名なんですかね?
写メ撮りしてはる人数が多く…
なんか、自分もせなアカンのかなって空気が流れてたので、一枚撮ってきました(何と主体性の無い…爆)。

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↑↓ 実と虚と。。。

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教室はエアコン効き過ぎで寒かったんですが、外は風がさわやかで、まさに秋の入りそのものの心地よさでした。

終了後は、軽くランチへ…ってマクドですけど^^;

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↑ 途次に見つけた、「オードリー・ヘプバーン写真展」の案内。必ず行きます。

一服後、一条戻り橋・安倍晴明神社へ向かいました。
今年2回目になります。

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↑ 月と。。。

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↑ 日と。。。

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この龍、好きで。。。^^

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↑↓ 桔梗が咲いてました♪

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↑前回来た時と、たぶんほぼ同じ光景だと…

ここから、三条へ移動です。

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↑↓ 錦市場♪♪♪

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あれこれ眺めながら通り抜け。
やっぱり、外国人の姿が多かったかな。

ここのひとごみは、どういうわけかイヤではありません。
梅田とかなんばのは苦手なんですけどね。

ふと…芥川賞作家の宮本輝先生が書かれた『三十光年の星たち』っていう小説を思い出しました。
錦市場が出てくるんです^^

その『三十光年の星たち』のあとがきに、宮本輝先生がこんなことを書かれています。

「人間には、何らかの支えが必要だ。とりわけ若い人は、有形無形の支えを得て、難破船とならずに嵐をくぐり抜ける時間が必ずある。だが、いまのこのけちくさい世の中は、若者という苗木に対してあまりにも冷淡で、わずかな添え木すら惜しんでいるかに見える。
わたしは『三十光年の星たち』で、その苗木と添え木を書いたつもりである」

一人の青年の中に見つけた小さな光を信じて、真摯に育てようとする「大人たち」と青年たちの物語です。
自分もまた、若い人たちのささやかながらでもの支えになれたらと思います。
また再読しようっと^^

三条でちょこちょこ寄り道をして、梅田へ戻ってきて見た西の空がこれ。。。

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天使の梯子がキレイに出てました。

前途へ向かう光やったらイイなと。。。^^

ということで、今日もまた、one step forward ☆☆☆

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2016年12月27日 (火)

伊丹のカフェ『青い屋根」へ。。。

やっぱり忙しいままの今月です。

毎日毎日、「何でこんなに忙しいんやろ???」って首をかしげつつ、それでも湧いてくる諸事・雑事を一つ一つ片付けていくしかなく、でも、ほんとに湧いてくるので(笑)、そんなことに埋もれて、時々3日で睡眠が10時間とかってこともあったこの12月。

…なんですが、先日の25日、つまりはクリスマスの日、自分には恒例になっている、伊丹にあるカフェ『青い屋根』へ年末の御挨拶へ行ってきました。

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オーナーのてらけんさんとお付き合いをさせていただくようになって、もうかれこれ5年?
早いです。

カフェ『青い屋根』って不思議な空間で、いつも…何かがどこかが緊張している自分が、この場所にくると、気持ちも身体もほぐれてしまいます^^

この日はクリスマスということもあって、途中でケーキを買って行きました^^

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ユーハイムの小さなケーキです。
これを、男2人で一つずつ…ではなく、それぞれを半分に分けていただき…(爆)
てらけんさんの淹れてくれはったコーヒーと絶妙に合う、想像以上にスッキリしたケーキでしたよ、ユーハイムさん☆

テルニスト(芥川賞作家・宮本輝先生の熱狂的ファンのこと)邂逅の十字路でもある、カフェ『青い屋根』。

ここで、何人もの素敵なテルニストの方々とお会いすることもできました。

2012年の4月に初めて寄せていただいてから、もう何回目になるんでしょうね…

いつ来させていただいても、てらけんさんの笑顔は変わらず、絶妙の合いの手もさることながら、てらけんさんご自身の半生を語ってくださるその語り口と物語の「妙」は、聴かせていただいているうちに、「だからこそ、このてらけんさんなんや」って思えるものばかり。

この日も、20代初頭の青年真っ盛りのてらけんさんが目一杯登場。

終始笑いの絶えることのない時間でした。

もちろん、大作家・宮本輝先生のことも。

自分は今、『流転の海』シリーズを最初から再読させていただいていて、現在第4部『天の夜曲』の終わりかけのところまできています。

この中に出てくる名文に…

「自分の自尊心よりも大切なものを持って生きにゃあいけん」

というのがありますが、これも話題になりました。

なまじっかな自尊心があるばかりに、出来ることができなかったり(しなかったり)、自分をさらに狭量にしてしまったり、あれやこれやに接する度に賢く立ち回っているように思い違いをして、結局のところ、また振り出しにもどるような生き方をすることになったり…

人生、あっという間であることを思えば、それはそれで勿体ないことと思うのです。

それを学ぶことのできる、宮本輝先生の作品群は、やっぱり優れたものと云う外はありません。

楽しい時間はすぐに過ぎ往き…

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来年の再会を期して、工藤は『青い屋根』をあとにしました。

帰路、阪急電車の車中から観た夕焼けがきれいでした。

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今年も残るところあと4日。

このまま、ラストまでバタバタは続きそうですが、ともかく突進してまいります♪

てらけんさん、ありがとうございました^^
また来年もお会いしましょう♪

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2015年4月26日 (日)

詩集 『極楽蜻蛉』。。。

芥川賞作家・宮本輝先生と珠玉の作品たちを、心から愛する人たちのことを「テルニスト」と呼びます。(自分も、その端っこに加えていただいてます^^)

そのテルニストの東海代表…いや、全国区ですね^^…の成瀬桂子さんが詩集を出されました。

みんなが親しく「なるさん」と呼ぶその方は、『極楽蜻蛉の詩☆ブログ』として、2012年2月22日から、折に触れて詩をアップされてきています。

その世界は、ピュアで、透き通っていて、やさしくて。
人間を詠み、恋をうたい、出会いと別れを紡ぎ。
こころを透かし、夢を見、思い出を語り。
自然に語りかけ、遠くにも足元にもまなざしを向ける。
決意をうながし、希望を湧かせ、笑顔を育む。

その数多の詩の中から、選りすぐりの16編を収めた詩集の名前は、ブログそのままに『極楽蜻蛉』。

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それぞれの詩とともに、写真がつけられています。
これは、ブログの方も同じなのですが、テルニストの方々が撮られた一瞬の作品たち。
いわば、テルニストのコラボの1冊と云ってもいいかもしれません。

ひとつひとつの言葉に、人間の心が織り込まれています。
それはつまり、「なるさん」自身がそうであるから。
「なるさん」自身が、これまでの人生で積み重ねてこられたことどもを、生きる「よすが」に転換してこられたから。

そういう時空を乗り越えてきた者しか得られないもの、一人の人間としての「深み」っていうものが醸熟されて、一つ一つの「詩」ができあがってきているのだと…勝手に思っています。

言葉は…読み違えてはいけない。
言葉は…人を活かすことも、潰すこともできる。
優しさを忘れた時、言葉って、簡単に人の命にキズをつけてしまうのだよ。
その瞬間に、実は、自分の命にもそれ以上のキズをつけているんだよ。

なるさんの数々の詩句から、自分はいつも、そんな語りかけを耳にしています。

先日、大きな病を乗り越えた「なるさん」に、久しぶりに再会することができました。
みんなが心配してました。
でも、元気そうな笑顔の「なるさん」に、逆にパワーもらったメンバーも多かったと思います^^

そうそう♪
「なるさん」にサインしてもらいました~
ラッキーな1冊です。

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「なるさん」^^ ありがとう♪

また、お会いできる日を楽しみに。。。

「再会の時、必ずや来らん」

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