ウィークリーカリグラフィー 31
アップするのを忘れておりました…(^_^;)
ミルトンの『失楽園』の中の一節です。
The mind is its own place, and in itself
Can make a heav'n of hell, a hell of heav'n.
心というものは、それ自身一つの世界なのだ、
ーー地獄を天国に変え、天国を地獄に変えうるものなのだ。
何重にも意味のある言葉ですね。
『失楽園』は読んだことはあるんですが、かなり昔のことなので、この一文のことは覚えてません。
(そういう意味でも、また読んでみようと思ってます)
東洋の叡智に、「一念三千」というのがあります。
天台の教理で、一瞬の一念(=生命状態)に、三千の世界が広がっている。
三千というのは、簡単に云えば、有形無形の森羅万象全て。
だから、一念(=一瞬の生命、心の状態)が全てに広がっていくってことだと。
たった一瞬の心の動きが、大きな大きな広がりを創り出す。
ミルトンの謂いは、それを表現を変えて表しているように思えます。
そういう意味では、彼は東洋的なのかもしれません。
ちょっと気になったので、ミルトンの箴言をチェックしてみました。
かくも厚顔無恥なるうそつきは、なにか特別の恥辱の烙印を押されて、特高き人びとと学識豊かな人びとの集うあらゆる交友の場から追放されるべきであり、そうでなければこそ言語道断ということになりましょうぞ。
やむを得ず、というのは圧政の口実である。
嫉妬は、傷つけられた恋人の地獄である。
盲目であることが悲惨なのではない。盲目に耐えられないことが悲惨なのだ。
最後の箴言は、おそらく、自身へ向けての言葉ではないかと思います。
ミルトンは、過労から視力を失って盲目になっています。
『失楽園』は実は、目が見えなくなってからの創作。
ミルトンの「一念」の中には、困難に屈することのない大きな挑戦の意欲が満ち満ちていたのだと想像します。
人間の「強さ」というのは、そういうことを云うのでしょうね。
昨日は大雨でしたね。
今日はましでしたが、明日からまた梅雨本番。
湿度なんかに負けないでいきましょね^^
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