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2011年1月23日 (日)

母のこと。。。

母が亡くなって2週間。

妬みなく、衒うことなく、恩を忘れることなく、どこまでも感謝の心を持ち続けた人でした。
亡くなってから、あれこれ母のことを思い出し考えていると、やっぱり「オカンはすごかった」としか云いようがありません。
生前よりも今の方が、母のことを日々考えています。
そんなものと云われつつも、そんな自分を情けないと思います。

「親孝行したいときに、親は無し」とはこのことなのでしょうが、まさか自分がそこにハマりこんでしまうとは思ってもみませんでした。

母の口癖は「おおきに^^」

どんな些細なことにも、傍から見てて、何でそんなことにまで?って思うようなことにも、「感謝の気持ち」を伝えることを絶対に忘れることはありませんでした。
誰に対しても、「おおきに^^」「おおきに^^」と笑顔もいっぱいに云っていたものです。

「人間というものは、人にしてやったことは忘れないが、人にしてもらったことは、すぐに忘れてしまうものだ」と云われますが、それが、こと母になると、てんで絵空事になります。
困っている人がいたら、悩んでいる人がいたら、自分もことも、自分の家のこともほったらかして飛んでいく。
帰ってきてからも、友人・知人のその悩みや苦しみを、自分のことのように思って、「どうしたら、あの人は元気出してくれるかな」と、よく父と真剣に話していたものです。
何かを期待してするのではなく、なんの見返りを期待することもなくです。

だからすごいな~って思います。

今の世の中じゃ、そこれそ「干渉してくるな」と云われるのでしょうが、それでも母は飛んでいっていました。

家がどんなに貧乏でも、文句なんか一言も云わなかった。
父のことを「お父さん、お父さん」と呼び、挙句の果ては、「私以上のひとがいてたら、連れておいで」と豪語してやむことなく。

通夜・葬儀の日、見送りに来てくださった多くの方々から、「和子さん、ありがとう」「ほんとにありがとう」と、みんなに云われて送られていく母は、本当に幸せやったと思います。
生前、「おおきに^^」って云い続けて生き抜いた母だからこそ、これだけたくさんの方々から「感謝の言葉」をかけてもらえたのでしょう。

人間は、生きてきたようにしか死んで行けない。その通りと思います。

母の最後の雄姿を見つつ、自分たちはただただ、寂しい哀しい思いと大きな大きな後悔と、自分自身への悔しい思いに、湧いてくる涙を抑えることが出来ないでいるしかありませんでした。

15か月もの長い入院生活を、気管切開されているから一切の言葉を出すこともできず、どれほど、父と、自分たち兄弟と話をしたかったか知れません。
それでも母は、一切の後悔も無かったと思います。

まるで引き寄せられるように、家族全員が揃って母の病室に集まったのは、亡くなる前日。
15か月前の手術の日以来、全員が一同に揃いました。

「お母さん」と声をかけると、一生懸命に目を開けようとしていました。
医師の話では、意識障害が出ているので、話しかけてもわからないと云うことでしたが、母はちゃんとわかっていたと思います。

「お母さん、また来るからね」と帰って行ったこの日のことを、自分たちは一生忘れることはありません。

「人と比べてもしょうがないやろ^^」
「お母さんは、にいちゃんが心配やねん」
「感謝すること、絶対忘れたらアカンよ」
「自分のことは足蹴にされても、縁する人のことを大切にするんやで」
「恩知らすになったらアカンで」

母に云われたことが、何故か今頃になって鮮明に思い出されてきます。

「ちょっと先に行くけど、またどこかで会えるよ」
「お父さんのこと、頼むね」

今、そう声をかけられているように思い、また涙が止まりません。

後悔の無い母も、誰もが羨むくらいに仲の良かった父のことは、一番の心残りであったろうと思います。

「お父さんのこと、兄弟3人で、ちゃんと守っていくよ。せやから、心配せんといてな」

そう語りかけ、心に誓うのみです。

母に、即席で一枚のカリ作品を描きました。
棺の上に置き、命の根源へ一緒に持っていってもらいました。

201101122

Our life stories are not sentimental tragedies.
They are not short pieces.
They are joyful epics filled with hope
leading the way toward happiness and victory.

Thank you Mother, Kazuko-san

我らの人生の物語は 悲壮感などない。
短編でもない。
陽気な 希望に満ち満ちた
幸福と勝利への 長編詩である。

ありがとうお母さん 和子さん

「お母さん、ありがとう。ほんまにありがとう」

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