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2010年11月12日 (金)

ことばのちから。。。(6)

久方ぶりに…さかのぼってみたら、5か月前以来になる「ことばのちから」

今回は、詩片を4つ。

☆ 死ぬ日まで空を仰ぎ
    一点の恥辱なきことを、
    葉あいにそよぐ風にも
    わたしは心痛んだ。
    星をうたう心で
    生きとし生けるものをいとおしまねば
    そしてわたしに与えられた道を
    歩みぬかねば  (韓国の詩人 伊東柱)

伊東柱という詩人がいたことを知る人は、今は本当に少ないと思います。
自分は一冊持っていますが、詩集自体も入手は難しいはず。評伝のようなものはありますが、高価なので…

伊東柱(ユン・ドンジュ)は韓国の学生詩人。
日本の軍国主義の元、留学中に、世紀の悪法・治安維持法違反の容疑で逮捕投獄、獄死。

このページを打ちこむ前にググッてみると、とてもいいページを見つけました^^
参考までに貼っておきます。

  カフェ・エクリ

興味ある方は、ここにて伊東柱の詩篇を味わってみてください^^

☆ 戦いのない人生は、弱い人生である。
  敵のいない人間は、強い人間にはなれない。
  困難なくしてできあがった仕事は、盤石な仕事とはいえない。
  戦うことに満足せよ!
  そして、困難を克服する勇気を持とう! 
                                 
(タイの初代芸術局長ワーターカーン)

ワーターカーンは、タイの外交官でもあり、かなり多才な人物でもあったようです。
彼の箴言はまとまったものは知らないものの、片言隻句ではないですが、時々散見することがあります。
単なる官僚では決してなく、自ら行動を起こし、自ら危機に身を置き、自ら問題を解決していく大いなる政治家。スケールが違います。日本にはそういう人物いないですね。

☆ またもや  黒雲が  わたしの上に
  音もなく  覆いかぶさってきた
  ねたみぶかい運命が  わざわいもて
  またもや  わたしをおどしている……
  
  わたしの  誇りたかき青春の
  ひるまぬ  我慢づよいこころを
  そいつに向かって  投げつけようか  (プーシキン)

ロシアの詩人と云えば、真っ先に頭に浮かぶのが、このプーシキン。
彼の「詩人に」って云う一詩は、かなり有名です。
↑の詩片は、敬愛する方から教えていただいて、メモってずっと置いていたものです。
雄々しいですよね~^^

☆ 悲哀が訪れたとき
  にぎやかな戯れに
  酔って騒ぐ友のなかで
  まぎらそうなどと考えるな
      
  春、青々と茂る森に
  もしくは、風強き草原に出るがいい
  広大な大地で、不幸と立ち向かうのだ
      
  明るく大声で歌を歌うがいい
  不幸自身も笑い出すぐらいに
  そうすれば、自己の悲哀と決別できるのだ
  そして、心は再び、穏やかさを取り戻す  (ウクラインカ)

そしてウクラインカ。
レーシャ・ウクラインカ。ウクライナの女性詩人です。
彼女の詩集も日本には無いはず。そのウクラインカの詩片を教えてくださった方に、今も感謝の気持ちはたえません。

ウクライナは日本からはとても遠い国ですが、彼女の詩は、それを充分越えてしまうくらいに優しくあったかい風を送ってくれます。
そして、それでいて力強い。
本来、女性のほうが男性よりも強いものなのです^^

ウクライナも強い国です。世界に先駆けて非核化を成し遂げたことは、つとに有名ながらそれを記憶いしている人はいかばかりか…
ウクライナのことを「平和の先進国」と云われた方もいました。

詩人ウクラインカも平和の人です。確か40代で早世。ロシア政府に逮捕投獄で健康を害したことが原因と記憶しています。

伊東柱が28歳、プーシキンは37歳かな。決闘での怪我が原因での夭逝です。そして、ウクラインカが40代前半・・・
ワーターカーンはわかりませんが、戦う詩人は何故か夭折する・・・

ここでまた、宮本輝さんの「生きてることと死んでることは、もしかしたら同じことかもしれへん」っていう、『錦繍』のあの言葉が浮かんできます。

今年もあと1カ月半。
何故か、年頭から「生きること」と「死ぬこと」が、まるでこの一年のテーマか課題であるかのように、纏わりついて離れない日々で、今もそれは続いています。
きっと、この一年に限ったことではなくて、その宿題をちゃんと提出できるまで生き切りなさいよっていう、誰かからの呼びかけかもしれません。

今週は風邪にやられました。
やっと峠を越したようです。

健康でいてるときに、その健康に感謝して無かったしっぺ返しみたいなものなのでしょうか^^;;;

久しぶりに、伊東柱の詩集を読んでみようと思います^^

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